刺繡日傘・誕生秘話~はじまりは蓮花~

シノワズリーモダン・刺繡日傘の始まりは、日本画家がスケッチブックに遺した美しい草花のデッサンの、中でも慈しみ深く描かれた「蓮花」が始まりとなりました。
弊社オーナーの祖父は、京都画壇で活躍した日本画家でした。
有名な日本画家に師事し、様々な受賞経歴があるにも関わらず、派手なことを苦手とした人でした。
壮年から晩年は、大きな展示会にもあまり出品せず、多くの国宝の修復作業や後進の育成に努めました。

幼い頃から祖父の繊細で美しい作品に触れていた孫娘は、その影響で、絵画に関連する仕事に携わりたいと思いながら過ごしました。
しかし祖父の仕事に関わる前に、祖父は他界し、夢は叶いませんでした。

そんなある日、祖母に頼まれて祖父の書斎を整理していた時、祖父のスケッチブックを見つけることになったのです。
敬愛する祖父が描いた可憐な草花や鳥たちは、活き活きとして美しく、見つけられる日を待っていたかのようでした。
幼い頃、祖父の仕事に関わりたいと願った当時の思いが甦り、この絵の一端でも多く方に感じてもらうことはできないかと思うに至りました。


そして試行錯誤の後に誕生したのが、現在の「蓮花刺繍日傘」の最初のモデル。

やがて「アート日傘」と呼ばれることになる、一連の刺繍日傘シリーズの第1号となります。

原画をもとに高度な刺繡技術で甦る優美な世界

日傘の上に美しく描かれた様々な花や鳥、そして吉祥紋をモチーフにした抽象デザイン。
多くがシノワズリーモダン・オーナーの祖父「吉田友一氏」のデザインを元に、高度な刺繍技術で表現されたものです。
吉田氏は、「生きとし生けるもの」への慈愛に満ちた数々の原画を遺しました。
これらはシノワズリーモダンの意匠の元となる、唯一無二の大切な財産。
優雅さと品格を持った「アート傘」と評価される所以となっています。

原画からデザイン化。そして刺繍へ

高い機能性と圧倒的な美しさを両立させることを目標に試行錯誤を繰り返し、高い遮光性、紫外線遮蔽と全面刺繍を「2重張り製法」「特殊2重張り製法=かわず張り」により克服します。
そしてこの高度な技術を背景とした、「2重張り製法」により高機能を兼ね備えた見事なアート傘が誕生することとなります。

シノワズリーモダン15周年を記念して完成した、逸品シリーズ

シノワズリーモダンは2020年ブランドデビューから15周年の節目の年を迎えました。
この記念すべき年に合わせて、これまでの刺繍デザインの集大成ともいえる美しいデザインを約1年の歳月をかけて開発。
どこにもない優雅な2柄を「女優日傘プレミアム」シリーズの最高峰としてお届けしています。

高貴な霊鳥「鳳凰」

「鳳凰」は、西洋でいうところのフェニックス=「不死鳥」です。
鳳はオス、凰はメス。すべての鳥類を生んだ「百鳥の祖」であり、仁愛と慈悲の象徴。
「鳥王」とも称される鳳凰は人々に幸運が訪れる瑞兆として現れると言い伝えられてきました。

プレミアムな逸品として生まれたこの日傘に描かれた「鳳凰」は、吉田氏が描いた法隆寺の飛天の衣をモチーフにしています。
鳳凰の美しい尾に、「飛天」の衣の印象を重ねて、上品な色使いで表現しています。

十数回にわたり、より優雅に見えるように、そして傘面で色鮮やかに飛び立つ「鳳凰」を表現できるようにデザインの改良を重ねて出来上がりました。

世界の人々が大きな困難に立ち向かうことになった2020年
まさに穏やかな平和への願いを込めてお届けします。



吉祥づくしの「亀甲牡丹」

「亀甲柄」は、厄を払い身を守ると言われる吉祥模様。
「亀」は、「麒麟」「鳳凰」「鶴」と共に「四霊」と呼ばれています。
また長寿のシンボルでもあるおめでたい柄。
傘の裾にこの美しい亀甲柄、傘の縁に美しい亀甲柄をデフォルメして施し、繊細かつゴージャスに仕上げています。
「牡丹」は幾重にも重なるその花弁が豪華で優雅であることから「花王」とも呼ばれ富貴の象徴。

この「亀甲」と「牡丹」の吉祥柄に加えて、吉田氏がこよなく愛した「雀」を愛らしく組み合わせています。
自然の美しいシーンを切り取ったかのような、見ていて幸せな気持ちになる絵画のようなデザインに仕上げました。




シノワズリーモダンがお届けする刺繍デザインの世界には、美しさだけではなく、背景にシノワズリーモダンならではのストーリーがあり、その世界観をお楽しみいただきたいという強い思いがあります。

~何もあきらめたくなかった日傘づくり~

シノワズリーモダンが日傘をお届けし始めて15年以上が経ちました。
その年にできる最高の日傘をお届けしながら、毎年毎年、さらに改良、追及を重ねて、
多くの方に支持され、愛される日傘となりました。
手に取っていただくからには、すべての機能を万全にし、さらに美しさも優雅さもお届けしたい。
日傘を広げた時のその空間が、心地よいものでなくてはならない。
そういう思いで、何もあきらめない日傘作りを目指して参りました。

そんな日傘に込めた思いや、日傘を長く大切にご愛用いただための日傘の情報を
少しずつご紹介して参りたいと思います。

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